――― Postscript 〜 後記 〜 ―――




かなりお久しぶりの、泰継×花梨のお話です。

こちらでUPしているお話では神子の名前はGAMEの初期設定の「高倉花梨」になってますが、オリジナルは【 Milk Cafe 】Master:美永 綺羅さまに差し上げたものなので、実は綺羅さまのサイトの神子、香鈴ちゃんをイメージして書いていたりします。
…イメージを崩していないかがかなり心配だったりするんですけど…(泣)

それはともかく、泰継×神子のお話は【 Requiem 】以来…という事は、7ヶ月ぶり…?なんですね。
どうりで書き始めの頃はイマイチ泰継さんも花梨ちゃんもセリフが出てこないと思ったわ…。
(←感覚が鈍ってたらしい…(爆))

しかも何故か、なかなか二人のらぶらぶな雰囲気のイメージが浮かばない!
どうして〜〜!? まるまる長編一本分書いてるのに〜(@_@)…なんて言ってたんです、が。
よくよく考えてみれば、【 露時雨 】はラブ未満だし、【 Requiem 】にしてもよおおおぉく読み返してみれば、あの二人、手を握って、「ぎゅっ」と抱きしめただけ、…なんですよね…。

あはははは…(汗)。

あのお話では、後半なんか特に二人の精神的な繋がりがすごく強くて、私の中ではもう完っ璧にらぶらぶだったので、キスの一つや二つはとっくにしてるような気になってたわよ…(苦笑)。
で、結局の処、この二人のラブラブはほぼ初書きのせいか、何となく書いていて照れました。フト気がつけば、表現もわりとさらっと流されてる、ような気もしますし(笑)。


そうそう、今回書いていて改めて思ったんですけど、どうも私は泰継さんは泰明さんよりも穏やかで、花梨ちゃんはあかねちゃんよりも少し幼い、というか無邪気というか…そんなイメージがあるみたいです。

泰明と泰継、二人の「ひとならぬ生まれ」だという事実、そして記憶自体は、結局の処、何ら目に見えるかたちの無いものですよね。
でも、呪いや色違いの瞳のような外見の美醜や強い陰陽の力は別として(←そもそも、貌の美醜についての評価は泰明も泰継も殆ど気にも留めないだろうし(笑)、強い陰陽の力についてもそれを疎んでいる風は無かったし…)、自分でそうとはっきりと自覚出来る、目に見える「ひととの違い」というのが乏しい泰明に対して、泰継は眠りと目醒めの周期の違いとか、怪力とか(笑)、目に見える部分でのひととの違いが際だっている。
そうすると、泰明にとっては「ひと」とそうではない自分との違いを認識するものとして「こころ」や「感情」が無いという感覚は重要なファクターだと思うんですけど、泰継にとっては受け容れがたいものではあっても、泰明ほどじゃなかったんじゃないのかな…と。

要は、「感情があろうと無かろうと、厳然としてひととは違う部分」が泰継にはあるんですよね。だからその分、こころを受け容れる事に泰明ほど抵抗は無かったんじゃないかな、と思った訳です。
つまり、泰継にとっての苦悩は「無い筈のこころがあった」事というよりも、「ひととは違いすぎる自分がひとを好きになってしまった事」の方がずっと大きかったんじゃないかな、と。

泰明の場合も究極的には其処に至る…という意味では同じなんですけど、彼は、まず「無い筈のものがあった」事の戸惑い、というのがあると思うんですよね。そしてこころの存在を受け容れたとしても、泰明は泰継とは違ってその時点で「ひととの違い」というものが、(外見の事は別として)「創られた存在」という、かたちのない記憶一点のみに絞られちゃうので、自分の出生という過去の事実が余計にどーんと重くのし掛かってくるんじゃないかという気がします。
ひとに近い分、却って不安やジレンマが強いというか。

あとは泰継の方が泰明よりも見守る雰囲気が強い…みたいです。泰明よりも抑えているというか…。
泰明と泰継、どちらもピュアさを持ってるのは同じなんですけど、顕れ方が違う、という感じでしょうか。「自分」をストレートに出しているようでいながら、何処か脆さというか、儚さを抱えた泰明と、一歩引いているようでいながらしなやかさを持つ泰継。
八十○年分の年の功…?(笑))
だからあかねは泰明を引っ張り上げるような芯の強い一面がある一方で、花梨には、泰継が深〜く考え込まなくて済むような感覚的な…無邪気な処がある、というようなイメージがあるみたいです。
勿論、それだけじゃないんですけど…どちらも基本的に素直で、でも芯が強い子だと思ってますしv そのイメージが文に出ているかどうかは謎ですけど(汗)


ところで、この創作のタイトル「霜楓(そうふう)」は、またしても造語です(笑)
そもそもタイトルセンスがとっても謎な私の、さらに造語となると、ぱっと見ただけでは意味なんて不明…という気がひしひしとするんですけど…(爆)
初めは同じ音で「想楓」もいいかとも思ってたんですけど、似たような造語タイトルで「想花」があったので、「それはちょっとマズイよね〜…」という事で、現在のタイトルに落ち着きました。

一応、意味としては「秋」と泰継さんの心のかけら四つ目をGETした時のセリフあたりをかけてみたつもり、だったりします。
…といっても判りづらい事と思いますので(苦笑)、蛇足ながら少〜し説明すると…。
心のかけら四つ目をGETした時、泰継さんは「(神子のこれまでの話からすると)心を得られれば温かく充たされた心地がする筈なのに、何故か凍えたように寒々しい…」というような事を言うんですよね。これを聞いた後、EDのセリフを見て、私はこの時に泰継さんが、「間もなく神子がいなくなる事」と「神子がいなくなると「淋しい」」…つまり、自分を充たしてくれていたのは単なる「心」じゃなくて「神子という存在」だったと朧気に悟ったんじゃないのかな〜…なんて思ってた訳です。
つまり、「失う淋しさ」を自覚して恋愛感情に気がついたのかな、と。
なので、「淋しさ」を「寒さ」として感じて、そこから感情に目醒めてゆく泰継の心情と、「秋霜を受けると急激に鮮やかな紅に染まる」という楓の習性をかけてみたりした…つもりだったんですけど。

…それに紅く染まるっていうあたりが恋心っぽくていいじゃないですか、ねぇ?
(←笑。またミョーで謎な発想を…)

でも、そもそも説明しないとタイトルのニュアンスを受け取ってもらえないようでは意味無し!!ですよねぇ…(-_-;)
それに本人はらぶらぶのつもりで書いているのに、なんとなく寒そ〜なタイトル、のような気もしますし。

う〜〜〜ん。(悩)

ああ、もっと精進しないとなぁ…(涙)


FROM. 陸深 雪


2002.11.29(FRI)UP.
【 Happy Birthday Yasutugu!! 】

< Written by Yuki Kugami. 2002. / Site 「月晶華」 >









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