蓮泉 ―泰明―




◇◆◇ 蓮泉 ◇◆◇




蓮。天上を彩る花。


陽の光に煌く薄紅の花は、彼の人の髪の色。

幾重にも重なる風に揺れる葉は、彼の人の瞳の色。

光と風をその身に受けて、眩しいほどに清らかに生命を輝かせる。



蓮。聖なる花。


その姿は神に愛でられし聖なる斎姫に似て。

まっすぐに天に向けるその腕(かいな)で何を求める?



蓮よ。天上の花、聖なる花よ。


私の想いを彼の人に伝えよ。この心を。

お前の前ではこの世の富も、力も栄誉も全ては色褪せると。

この空(くう)なる心を満たすのは、その柔らかな微笑みだけなのだから。



文を贈ろう。この蓮を添えて ――――

お前のために。お前の心からの爽やかな笑顔を見るために。








神子に文を贈りますか?





2001年の泰明さんお誕生日おめでとう企画(o^-^o)
お持ち帰りと転載はフリーです。





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